「引き算の関係」=誰もがナンパ師の時代!?

今日の下のほうに載せておいた、
『少年育成』誌に掲載予定の



『ケンカの変容〜「引き算の関係」のもたらしたもの』



でとりあげた



「引き算の関係*1



について、何か分かりやすい例はないかな〜と思ってたところ、
思い当たったものがある。



一言で言うと、
若者たちがみんな、友達を作るときに



ナンパ



のようなことをしなくちゃならなくなったってことだ。



とりあえず、同じクラスなら、同じ部活なら
友達になれるだろう、なんてのはもはや甘ったるい幻想で、



さしあたって、声をかけられる範囲の人には、
可能なだけ声をかけておいて、
その中から、数少ない、
仲良くなれる人を後から探し出す



って振る舞いをしないといけなくなっている。


そのために、ケータイのメモリーはとっても便利な道具なわけだ。



そして、そもそも、
なんでこんな面倒くさい(と思うかは、人次第だけど)
ことをしなくちゃならなくなったか?



一言で言えば、


若者の生活世界が流動化した


ってことなんだろうな。



ナンパってのは、
非常に人間関係の流動性の高い
(っていうか、歩いている人はみんな他人という)
都市空間のなかでやるもんなんだろうけど、
今や、



学校も、教室の中も、
都市空間と同じになっちゃった



ってことなんだろうな。


とりあえず、みんな集まっては来るけど、
共通文化の崩壊以後、
あまり共通する話のネタはないし、
部活もそれほどの拘束力ないしってことで。




ってことで、結論は、



「引き算の関係」=誰もがナンパ師の時代!?



ってことかな?
(ブログだと、論文みたいに、あまり堅苦しくなくていいから、書きやすいのお。)

*1:関連するところを引用しておくと・・・「かつて友人は、同じクラスや部活動といったある特定の集団の範囲内で、徐々に増えていった。範囲が制限されていたため、多少気の合わないものでも我慢して友人に加えたのが「足し算の関係」の特徴だ。しかし学級崩壊や部活動の停滞といった現象からわかるように、これらの集団の拘束力は次第に失われる。・・・中略・・・まず、雑多な相手の連絡先を、できるだけ多く携帯電話の電話帳機能(メモリー)に登録する。その後、疎遠になったもの、気の合わなくなったものの連絡先を徐々に消去する。よって、気の合う似通ったものばかりが残る。さらに、携帯電話の電話帳機能は何百件でも登録できる。その結果、友人の人数は増えるが、一方でその種類が減るのが「引き算の関係」の特徴だ。