(4)「『社会』は捨てたもんじゃない」


第三回目のテーマは「『社会』は捨てたもんじゃない」。「どうせつまんない世の中だから」「何したって変わらないんですよ」と呟いてしまう前に、これらの作品に目を通すことで「世の中も捨てたもんじゃないな」と感じることができたなら・・・と思います。



リアル 1 (Young jump comics)

リアル 1 (Young jump comics)

 『スラムダンク』の作者が、障害者たちのバスケットボールを描く。単なる「スポ根」ではない。登場人物が障害を受け入れようとする過程の心理描写はまさに「リアル」。いく通りもの生き方が、この「社会」でもできることを教えてくれる。


増補版 時刻表昭和史 (角川文庫)

増補版 時刻表昭和史 (角川文庫)

夢多き「少年」の成長と、日本の近代化を同時並行的に描く。圧巻は第13章。玉音放送の最中にも定時運行していたという鉄道の姿に、個々人の集合体以上の存在としての、「社会」の凄さを感じずにはいられない。資料的価値も高い一作。